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「新型うつ」は病気か?それとも...。Vol.9

「新型うつ」を病気と認めるべきかどうかについては、意見が別れる所ですが、私は、最初から

「病気」という判断でこのブログを進めてきました。ここで、私なりの「新型うつ」に関する事

をまとめてみたいと思います。

新型うつとは?.png

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、新型うつ=現代型抑うつ症候群 という呼び方が現在、一般的だと言える様です。

従来型のうつとの比較を上にまとめてみました。

 

「新型うつ」の特徴は好きな事は出来るが好きでない事は出来ない。(いや、やろうとしない。)つまり、まともな大人から見れば、「子供のままで、成長していないと思える。」のがこの点です。しかし、本人たちは、医師の診断書もあることだし、自分は病気だと信じて疑っていないので、周囲の思惑等、全く異に介しません。その上、うつ病で休職することに抵抗感や罪悪感が無いので、休職中の手当についてや、休職中に利用できる社内の制度等についても事細かに調べあげ、上手に利用します。これも、上司等の大人たちにとっては、腹立たしい出来事と映ります。「みんなに迷惑をかけて休むのに遠慮というものは無いのか…。」という叫びが聞こえて来そうな気がします。

最後の自責感に乏しく、責任を他者に転嫁する傾向…。という部分ですが、これは週刊文春でも指摘していた点です。子供の頃から親にも怒鳴られた経験がほとんど無い「良い子」の状態で過ごして来たため、仕事上のトラブル等で上司から叱責を受けると、自分が犯したミスを棚に上げて、叱責した上司への怨みばかりが募ってしまいます。衆目の中で叱責されたなどの恨み辛みばかりが記憶に残ってしまい、肝心な自分のミスへの反省はどこかにぶっ飛んでしまう訳です。これが、「新型うつ」の特徴です。

新型うつの仮分類.png

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだ、決定打が無いので、完璧な分類はできませんが、一応、上記の3パターンに分類されると思われます。「ディスチミア症候群」「非定型うつ病」「発達障害型」の3パターンです。この内、非定型うつ病は週刊文春でも取り上げられたいましたが、ディスチミア症候群については、この表現こそ使われていませんでしたが「他者否定&自己肯定」ということで記されていたかと思います。いわゆる「自己中心的」で「自己愛着」が強く、社会的には未熟で、他者に依存する部分が多いのも特徴です。うつ病と言うよりは、「コミュニケーション障害」の一つと分類する学者もいるようです。

「非定型うつ病」についてはVol.7で詳しく述べましたので、ここでは割愛します。

「発達障害型」について言えば、ディスチミアと近いものがあり、コミュニケーション障害とも言えるようです。こだわりが強く、まわりに合わせることを苦手としているのが、アスペルガーと似ている点です。普通の大人は、社会常識やマナーを意識しているのですが、そういうものには割と無頓着な点もアスペルガーに似ています。

新型うつの要因.png

 

 

 

 

 

 

 

 

上にあげたのは、「新型うつ」の要因として考えられる事柄です。アイデンティティ=自分らしさと考えるとそれが未確立ということは、「自己一致ができていない。」ということを示しています。親子関係がべったりで、小さい時から「良い子」と呼ばれて育ったケースが多く、どんな場面にも親がしゃしゃり出て来ます。コミュニケーション能力が低いので自分の気持ちを表現する語彙すら持ち合わせていません。パソコンや携帯での生活が日常化していて、対人関係を築く方法すら知らない場合が多いようです。社会秩序を重んじる社会から、個人関係重視の社会変化が生んだ未発達の大人。子供の世界から抜け出せていない未熟な社会人。現代の若者の代名詞的な特徴が全て網羅されています。

新型うつの症例.png

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「新型うつ」はあくまでも病気という考え方がここでも確認されたようですが、「ズル」だ、「サボリ」だ、という考え方は40代後半以上の社会人からは、抜けきれないようです。しかし、「ズル」「サボリ」といった決めつけで社員を退職に追いやるような事が起きれば、「新型うつ」の患者の攻撃性が他者や会社に向けられる可能性があります。訴訟等のやっかいな事件を引き起こされかねないと考えられます。また、逆に攻撃性が自傷行為に向けられた場合も充分に考えられるので、自殺等に結びつく状況も考慮しなくてはいけません。

病気的には軽度のうつや障害である可能性が高いので、向精神薬は効き目が薄く、心理カウンセリングが有効な手段と考えられます。

今秋にもとささやかれているメンタルヘルスケアの義務化が進めば、「新型うつ」のクライアントで心療内科やカウンセリングルームはごった返すことになりそうです。そうなれば、各企業も今のままではなく、新しい対策を摸索する必要性が出て来ます。訴訟やトラブルを未然に防ぐためにもきちんとしたメンタル面での対応が望まれます。形だけのメンヘルでは、もう誤摩化せない所まで来ているようです。

会社の対策.png

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社が取らざる負えない3つの対策として、下記の物が上げられます。

(1)本人への対策

  ・診断書に「うつ」と在るからと、あまり特別扱いをしない事。           

   簡単に腫れ物に触るような態度を取るのはやめるべきです。

  ・仕事の評価は平等にきっちりとすること。

   誰に対しても変わらない評価をしていることをアピールする。

  ・社会人としての立場を明確化する。

   社会人としての常識やマナーを始めとする知識を徹底し、自分が学生時代のままの

   甘えや、子供っぽさを払拭するように指導する。

(2)周囲の社員への対策

  ・休職者の穴埋めに回ったチームの評価を高める。

   休職者の仕事を代行してくれている周囲の社員たちの不満を増大させないように

   しないと、「新型うつ」の連鎖反応が起きる可能性が考えられます。それを未然に

   防ぐには、代行社員から、不満が爆発しない様なケアを心掛ける必要があります。

(3)会社全体での対策

  ・「新型うつ」の実態を知るためのセミナーなどを開催する。

   「新型うつ」の知識や情報を得ることと、「新型うつ」への認識のあり方を勉強

   する場を設けて、管理職や人事関係者は学んでおく必要があります。

  ・就業規則の見直しを早急にする必要があります。

   ①遅刻や「サボリ」と判断できる欠勤には、厳しく接する必要がある。

   ② ①での対応で改善が見られない場合には処分の対象とする等のルールを

    予め決めておく。

   ③ ①②の事等を就業規則に明記するように改正しておく。

  ・職場の感情的な不満や人間関係の見直しは、その部署だけで行うのではなく、

   会社全体で対応策を練るよう指示する。

     セクハラやパワハラの問題まで絡んで来るので、職場の不満や人間関係の

     見直しは、会社全体の配置替えや部署の異動までも視野に入れて検討する。

 

「新型うつ」は今や大きな社会問題となっています。これを根本的に解決するには、会社の組織を上げて取り組む必要があります。一方的に若者が悪いと決めつけることも、上司の若者への無理解も平行線のまま、放置してきた現代社会の歪みが一機に膿みを出しているようなものだと考えます。精神疾患の判定基準が変わらない限り、「新型」も「従来型」もうつ病であることに変わりは無いのです。医者は書けと言われれば、「うつ」の診断書を書くでしょうし、それを提出されれば企業は休職させない訳にはいかないのです。

会社は、治療に専念して一日でも早く、職場復帰してほしいと考えるでしょうし、休職した本人もそれを願っているに違いないと勝手に判断しています。しかし、休職者の方は本気で職場復帰を考え始めるのは休職予定日数の残りが数えるほどになってからのように思えます。何故なら、彼らに休職すると周囲に迷惑がかかるという罪悪感は全く無いからです。自分に許された特権だとさえ思っているかもしません。

私はこの休職中の会社側のフォローをもっと変化させなくては「新型うつ」の患者も「サボリ」と疑われたままで職場復帰しても長続きしないのは当然だと思うのです。周囲はこの休職者のためにハードな仕事をこなして来たのですから不平不満は山のように抱えているでしょう。しかし、当人は病気だと認められて休職したのだから、復帰すればみんなが大事にしてくれる…。ぐらいの甘い考えでいる場合の方が多いと思うのです。

そんな双方の思惑が噛み合うわけもありませんし、うまく処理出来るはずもないと考えるのです。これらをうまくドッキングさせて、スムーズに職場の雰囲気を回復させることこそが、人事担当者の腕の見せ所では無いでしょうか。(つづく)

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